お寺での書道体験で心を整える。でも実は体験会ではなく○○だった!?

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こんにちは。真鶴在住の薬剤師 松田です。

先日、ふとしたご縁から書道体験教室に行ってきました。

「筆を持つなんて何年ぶりだろう?」

小学生の頃、習字の授業が大の苦手だった私ですが、
今になって、またやってみたい!

と思うのだから不思議なものです。

場所は六本木のとあるお寺の中。

六本木ヒルズのすぐ近くという立地ながら、
ひっそりととても静かな空間が広がっています。

畳の部屋に入ると、
机の上には書道道具が既に用意されていました。

硯や文鎮の手触りと墨汁の懐かしい匂い。

慣れない正座で筆と半紙に向き合うと、
不思議と心が静まっていくのを感じます。

「まずは一度書いてみましょう」

書道家の松蘭先生の言葉に促され、
今回の課題文字「永」を書き始めます。

先生曰く、
「永」は書道の中で基本的な
止め、はね、はらいが全て入っているとのこと。

硯で筆をならし、おそるおそる半紙の上を滑らせます。

おそらく20年ぶりくらいであろうその筆跡は、
お世辞にもうまいとは言えません。

まあ、そういうものだよな。と思いつつも
「永」の字を書き終えました。

でもそこは褒め上手な松蘭先生。

私としてはイマイチな字体を褒めつつも、
より良くなるポイントを赤筆で教えてくれました。

そしてそこからはひたすら練習。

何をするかと言うと、
最初は横線を半紙いっぱいに何度も書く。

次は縦線からのはね、
というように点画毎に何度も繰り返し書く練習です。

小中学校の時にこういう練習の仕方はしたことが無かったですが、
(単にやったのを覚えていないだけかもしれませんが。)

一筆毎に表情が変わっていき、
だんだん様になっていくんですね。それが面白くて。

ただただ無心で書き続けました。

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そうしてしばらくすると、
かすかに水が流れる清らかな音が聞こえてきました。

この水の流れる音は、
お寺に入って筆を取り始めた頃は感じませんでした。

それが筆を進める中で初めて聞こえてきたのです。
だんだんと感覚が研ぎ澄まされていくのを感じます。

「書道は呼吸で書くもの」
松蘭先生は言います。

呼吸を整え、体の自然なリズムで筆を滑らせることで、
余計な力が入らず自然体で書く事ができるからなのかもしれません。

これは書道という行為を通した瞑想とも言えそうです。

文字を書くという、一見何でもないありふれたコミュニケーション行動が、
呼吸を整え、心身を磨く道となっていることに、
日本文化の奥深さを感じます。

ですが。
話はここで終わりではありません。
なんとこの書道体験会は普通の体験会ではなかったのです。

実はアルゼンチンから来ていた2人組が制作する、
ショートムービーの撮影会だったのです!

写真に写っている男性はルーカスさん。
以前、松蘭先生の書道体験を受けたことがきっかけで、
日本を紹介するムービーを撮らせて欲しいと依頼があったそう。

そこで私は生徒として書道体験レッスンを受ける役、
というわけだったのです。

前述の横線を繰り返し書く練習をしていたときも、
実はカメラが回っていました。

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私が個別レッスンを受けているところに、
ルーカスさんがやってきます。
そこで先生に促され、一緒に書道体験をする、という内容。

ルーカスさんはご自身の名前を
「流蚊過」と充てて書いています。

蚊という字が入ってますが…
どうやらムービーのオチと関係があるようです。

撮影をしながら私も練習を重ね、
最後にもう一度「永」の字を書きました。

松蘭先生のご指導もあってか、
最初に書いたよりも心なしか様になった気がします。

最後は書いた書を持って記念撮影。
たくさんの初めてが詰まった貴重な体験会となりました。

皆さんも何年ぶりかの筆を手にとってみませんか?
小学校の頃の習字の授業とはまた違う、
新たな発見があるかもしれません。

今回教えてくれた松蘭先生は
書道教室やインバウンド書道体験など、幅広くご活躍されています。

松蘭先生について詳しくはこちら