毎日着てもサラッで、臭わない第2のスキン? = 皮膚の様な生地との出会い(前編)

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最近、とあるコミュニティでイタリアの老舗ウール会社「REDA」の日本代表、上野さんという方と出会い、すごーい!という話を聞いたので、それを取り上げようというのが今回の趣旨。

最初聞きはじめて、「えっホント?」「うそ〜」と半信半疑な印象だったが、ひと通り聞いたら珍しく速攻「欲しい!」になってしまい、まずTシャツを購入。昨年、3ヶ月入院していたので、以来洋服を全く買っていなかったので久々の一枚。

「WoolのTシャツなんて聞いたこと無い」

このところ、玄米とか味噌とか。。。古来からの素材の良さが現代に蘇っているモノとの遭遇が立て続けにあって不思議・・・。

さて、本題。第2のスキンとも言われる“メリノウール”は正に天然素材。

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ポリエステルやナイロンといった合成化学繊維には真似のできない特徴を備えた機能性素材なんだそうだ。

えっ? 化学繊維が真似できない特徴? 機能性? 合成された化学繊維よりも天然のほうが優れてるって、どういうこと?

と、頭に??が渦巻く。

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「羊毛(ウール)は、身体を守るために古くから人に親しまれてきた素材ですが、その高い機能性は羊が自分たちの体を守るために備えたもの。よく知られているのは、”優れた保温性や保温性”です。クリンプという縮れた繊維が断熱材の役を担い、体温で温められた空気を沢山貯めて寒冷地でも快適に過ごすことが出来る様になっているんです」と上野さん。このクリンプによって伸縮性も備え、洋服にした時には体の動きにあわせて自由によく伸び縮みする。さらに、夏の暑い日には気化熱による冷却効果を発揮して、体を涼しくしてくれる機能もある事は余り知られていないだろう。

またしても、「えっ?」ウールで涼しい?

ウールは暖かさの代名詞といった先入観で覆われた頭が、衝撃を受けていると、さらに上野さんは畳み掛けるように続ける。「汗を効率的に吸収して、肌を常に清潔で乾いた状態に保ってくれるんですよ、だから匂いも残り難いし、防臭効果も期待できるんです」

もうここで、完全に今までのウールへの印象がノックアウト! ウールが汗を吸収して消臭特性があるなんて、知らなかったの僕だけですか?!

象徴的な話として「登山の世界、特に雪山でウール肌着は必須装備となってるんですよ」と教えてくれた。なるほど、頷ける。

「より高いところへと移動する性質のあるメリノ羊は、寒冷地生活のために理想的な羊毛を蓄えてるんですよ」

ウール繊維は2重構造になっており、表皮はウロコ状のスケールで覆われ撥水性があり、常にサラッとした肌触りが維持できるのはこのためだそうだ。さらに、湿度が約90%を超えるとスケールが自然に開いて、その隙間から取り込んだ汗などの水分を内部層が吸収する。こんなにうまくできた天然材なんて他にないと思う。内部層がため込んだ水分は、少しずつ蒸発して徐々に乾燥。吸汗速乾性に優れたと謳う合成化学繊維のように一気に蒸発・拡散せず、気化熱作用によって体が冷やされることもない。アウトドアで良く知られる“汗冷え”の現象も起こさないって、完璧!

後日に続く・・・