GWR®で糖尿病予防!

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みなさんこんにちは。ヘルスビット株式会社の部坂です。前回記事に引き続き連載3回目の今回は、GWR®についてです。

GWR®(グリップウエイトレシオ)は握力÷体重で算出します。握力が体重の5割以下は将来の2型糖尿病発症リスクが高くなる可能性があります。体重比8割の握力を目指しましょう!

参考:2018年の Journal of Epidemiology 誌(IMPACT FACTOR 2.447) の電子版に掲載された新潟大学・東北大学による論文「Physical fitness tests and type 2 diabetes among Japanese: a longitudinal study from the Niigata Wellness Study(体力テストと 2 型糖尿病:新潟ウェルネススタディによる縦断研究)」https://www.niigata-u.ac.jp/wp-content/uploads/2018/07/300730_re.pdf

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(握力体重比5割のグループは8割のグループに対して2型糖尿病リスクは56%高い値を示した)

【本研究成果のポイント】
糖尿病ではない20歳から92歳の成人21,802人を6年間追跡し、体力テスト(握力、垂直跳び、閉眼片足立ち、立位体前屈、全身反応時間、仰臥位足上げ)の成績と2型糖尿病の発症リスクの関連を検討した。体重当たりの握力の成績が悪ければ悪いほど、2型糖尿病の発症リスクは高かった。閉眼片足立ちの成績が良い群と比較して、成績が悪かった群の2型糖尿病の発症リスクは高い値を示した。

重要なのは、握力の絶対値では2型糖尿病リスクとの相関がみられなかった点です。一般に男性は女性より握力が強いですが、男性の方が2型糖尿病になりにくい事はありません。体重コントロールと握力増強の両方が必要になります。握力増強には、全身の筋力アップが有効です。握力だけを鍛えるより、全身の筋肉を動かす事が効果的なトレーニング方法になります。筋肉の7割は下半身なので、スクワットなどにより、体内で筋肉を合成する物質(IGF-1等)が作られ、血流で全身に運ばれ、筋肉を強くする事で握力増強に繋がります。

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筋肉は心臓を動かす心筋、胃腸を動かす筋肉、肺呼吸に関わる筋肉、全身の血管等、健康状態に密接に関わっています。野生動物にとって筋力低下は、直ぐに生存の危機に結び付きますが、人類は様々なサポートシステムにより、無制限に食物摂取が可能で、天敵に捕食される心配もありません。人類も自然界における生物種の範疇にあることを自覚し、筋力を日常的に意識する事が重要です。握力は全身の筋力との相関が高く、測定が容易な事から、健康管理の指標として有効です。Amazonでデジタル式握力計が2500円程度で購入可能ですので、会社や自宅に常備する事をお勧めします。勿論、握力が全てではありませんが、GWR(グリップウエイトレシオ)を意識する事で、糖尿病予防の一助にして頂ければ幸いです。

※GWR(グリップウエイトレシオ®)はヘルスビットの登録商標です。