疲労の回復法1ー入浴の効果ー(前編)

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日本人の約4割が半年以上続く慢性的な疲れを自覚し、その半数近くの方が疲れのために生活の質が低下しているという現状は、決して好ましいものではありません。そこで、今回からは疲れた時の対処法とその効果についてご説明します。

●疲れの対処法とその効果

大阪府民1,219名に「あなたは普段どのようにして疲れに対処していますか?また、その効果はいかがですか?」と聞いてみましたところ、疲れたときには多くの方が日本茶やコーヒー、お酒などを活用していると答えておられます(図1)。しかし、この結果から判断しますと、これらは疲れの回復にはあまり効果はなく、多くの方が日常生活の中で効果を感じておられる回復法は入浴でした。皆さん、疲れたときに自宅に帰って、風呂に入りほっとすると疲れが取れたような気がする。これが実感だろうと思います。末梢循環が改善し、またリラックス効果もみられるようです。

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図1.疲労回復に用いている方法の頻度とその効果
(生活者ニーズ対応研究:疲労および疲労感の分子・神経メカニズムとその制御に関する総合研究より)

疲労回復効果だけをみてみますと、入浴よりも温泉の方が良い結果となっていますが、これは温泉地に行くとおいしいものを食べたり、自然に触れたりすることができるといった転地療法の効果が加わっているものと思われます。

また、それほど多くはありませんが効果が高いと感じておられるものとして、笑いがあります。大阪は大衆演芸が盛んですので、疲れには笑いが良いと意識的に感じる機会が多いのかもしれません。それ以外には、マッサージや体操、指圧、漢方薬、音楽などに効果があると感じておられる人も多く、動物との触れ合い、アニマルセラピーが疲れの回復に結び付くと答えている方もおられます。

尚、Aさんに有効な疲労回復法が、必ずBさんにも有効であるとは限りません。疲労の回復には性格や気質に伴う個人差がありますので、うまく自分に合う回復法を見つけることも大切です。




医師:倉恒弘彦(くらつね・ひろひこ)
プロフィール
大阪市立大学医学部客員教授として、疲労クリニカルセンターにて診療。1955年生まれ。大阪大学大学院医学系研究科招へい教授。日本疲労学会理事。著書に『危ない慢性疲労』(NHK出版)ほか。

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※この記事は、弊社提携先の株式会社FMCC(倉恒弘彦代表)のコンテンツを連載するシリーズです。「疲労関係」の講演や臨床試験など、弊社までお気軽にお問い合わせください。




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