BCG接種をしている国は死亡率が低い?
という噂の真相?

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株式会社レスキュープラス
BCP作成支援担当の秋月です。
今回は、気になる噂の真相に迫りたいと思っています。

BCG接種をしている国は死亡率が低い?
おそらくこの噂の発端は、Jun Satoさんという、
ロンドン在住の日本人のブログ記事
「もし私が北米・西ヨーロッパ・オーストラリア人だったら
新型コロナパンデミックに備えてBCGワクチンを打つだろう」
というエントリーだったと思われます(英文)。

要約すると、BCG接種を国民全員に行っている日本や旧ソ連などの東ヨーロッパ諸国では、
新型コロナ罹患者が少ないということです。
私自身もこのブログを読んで「これは希望が持てるかも?」と感じました。

これを受けて、東北大学・副学長の大隈典子氏が検証記事
コロナにBCGは「有効」なのか?東北大・大隈教授が緊急解説」を書き、
BCG接種の結果、人の免疫系が未知の病原体への抵抗力を高めている可能性を解説しています。

そして4月6日に、米国イェール大学等が運営する査読前論文を公開するサービスmedRxivに、
米国医学大学の最高峰と言われるジョンズ・ホプキンス大学の医師が、
BCGワクチンと新型コロナウイルスの関連についての論文
Differential COVID-19-attributable mortality and BCG vaccine use in countries」を公開しました。
この論文によれば、BCG接種をしている国とそうでない国の新型コロナによる致死率は
5.8倍の差があるとのことです。
この論文では、国の豊かさを表すGDPの差(=医療の充実度の差に直結)や、
老人の人口の差を考慮して補正しているため、期待できる内容だと私は考えています。
パンデミックが始まって以来、日本の死亡者の少なさは各国メディアから不思議がられていましたが、
BCG接種が大きな要因となっている可能性が解明されつつあります。

ただし油断は禁物です。
日本で国民全員へのBCG接種が始まったのは69年前から。
つまり70歳以上のご老人は接種を受けていないのです。
先日お亡くなりになった志村けんさんがちょうど70歳だったことは気になる関連です。
また日本での死者が、例外はあるものの、ほぼ70歳以上に集中して見えることも心配材料です。
軽症者が増えれば高齢の方に伝染する確率も高まってしまいます。
70歳以下のわれわれも、引き続き油断なく外出を控え感染予防に務めましょう。


プロフィール
秋月雅史
1989年 日本アイ・ビー・エム入社。メガバンク担当営業を経験。
1997年日系コンサルティング会社に転職、その後外資系・日系IT会社で新規事業の企画を担当。
2007年からは企業・団体向けの危機管理体制構築、BCP 策定支援への取り組みをスタート。
日本経済を牽引する大企業から中小企業まで多くの会社のBCP強化に寄与している。日本能率協会BCP講座担当講師。

日本能率協会:「BCP」対応編 研修講師に聞く
https://jmaqa.jma.or.jp/case/2019/06/04/23

株式会社レスキュープラス「BCPのSOS」
http://bcpsos.rescueplus.jp/?page=bcpsos


先月末に書かれた別記事「東京封鎖=ロックダウンは起こるのか?」も是非お読みください。
https://www.office-mica.com/magazine/entry/2020/03/30/164509/