オバマケア Vs. 税制改革 トランプ大統領よるヘルスケアの制度を創出は果たして成功するのでしょうか

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何かと世間を騒がせている米トランプ大統領ですが、政策については真剣に頭を悩ませているようです。
日本時間の3月1日11時、上下両院合同会議での施策方針演説が行われました。

メディシンクとして注目しているのは、やはりオバマケアの今後についてです。
オバマケアは、「自らの健康は自らの手で」を基本とするアメリカの健康医療領域において、良かれ悪しかれ大きなインパクトを残しました。
既往症を持つ低収入のアメリカ市民も任意で入れる保険で、政府が提供します。
日本に国民皆保険ともよく比較されています。
ただ、このオバマケアの実施によって、低所得者層に位置するアメリカ市民が、病院に行きやすくなった代わりに、増税をしなければその制度が回らないといった状況に陥っています。

自由主義を標榜しているトランプ大統領は、その状況をオバマケアは全く機能しておらず撤廃すべきだと主張しています。
話を戻しまして、上下両院合同会議での演説では、再度オバマケアの撤廃を訴えました。

オバマケアを廃止しさえすれば、
① 法人と中間層に向けた、「驚異的な」減税を実施する税制改革
② 景気浮揚
③ 1兆ドル規模のインフラ投資
ができる、というロジックです。

一方で、オバマケアの完全な撤廃は既得権の侵害にもなるため、トランプ政権への政治的なダメージは免れないとの声も上がっています。
先日の2月20日(月)はアメリカではプレジデントデーという休日でしたが、その日にトランプ大統領は地元で演説を行っています。
その映像はCNNでも放送され、よく日本のメディアでも見かける、怒号が飛び交う猛烈な反対運動が会場の一部で起こっていたそうな。

共和党内においても完全な撤廃ではなく、控除などを含めた修正をという動きもあるそうです。
加えて、トランプ大統領は薬価の引き下げやFDAの認可プロセスの遅さと負担の重さを指摘しています。
もし、財政負担を少しでも軽減するために、薬価の引き下げやFDAの認可プロセスが簡素になったとしたら・・・一体日本にはどんな影響があるのでしょうか。
Photo credit: Keoni Cabral via Visualhunt.com /  CC BY