創業15年目 ー起業時の行動変容に思うー

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皆さま、メディシンク代表の八村です。

7月15日で弊社メディシンクは15年目に入りました。今日まで事業を続けてこられたのも、一重にメンバーを始めお客様、関係者皆さまのお陰と感謝しております。

思い起こせば創業した2006年当時ではまだ珍しかったウェアラブルデバイスもすっかり市民権を得て、デジタルヘルスやI o Tヘルスケアなどの言葉も普通に使われるようになりました。弊社とつながりの深い方々には耳タコ話になると思うので読み飛ばしてください。(笑)

実は、私がこのウェアラブルデバイスやそのサーヴィスを一般の方々が自身の健康管理に使っている未来を想像したのは、当社を創業するさらに10年前の1996年に遡ることになります。Apple Watchやfitbitはおろか、連携するスマホすら無い時代のことです。

当時勤めていた医療機器商社で扱ったX線骨密度測定装置を通じて、予防医療の重要性や継続的な個人の健康データ集積、そしてその分析によって我が国は健康立国すべきと着想し、その大きなキッカケとして、健康行動を記録するゲーム(いわば健康テーマのたまごっち)とその記録データの成果に応じてユーザーが健康ポイントを奨励される事で健康に良い行動が継続され、最終的には個人認証技術によって保険の割引制度が適用されることで、健康増進社会と国民医療費の抑制を夢見たことが始まりです。

それを当時「メディテインメント社会」と名付けました。

意味としては、「明るく楽しく自発的に継続性ある健康増進社会」であって、それを確立するために“医科学背景に基づいたエビデンスベースのデータを扱えること”と、“忙しい日常生活の中で時間やコストを支払う動機となり得るエンタメ性あるコンテンツ”、その両立の重要性を込めた造語です。

今から25年前に、そんな世の中にしなければ、いや絶対になる、との確信を得て一人で興奮していました。ただ、こうした世の中の成立は、もしかしたら自分の死後になってしまうかもしれない。それくらいこのパラダイムシフトは難しいとも思っていました。

お陰様で、言い続けて来た社会像にようやく世の中が近づいたことで、自分が生きている間に予見が正しかったことを確認でき始めています。

そして、いくつもの国家プロジェクトにまで参加させていただく機会に恵まれ、自分の見通しに加え、この分野の参入を難しくしている、公益性と経済性のバランスや法規制への対応、そして行動変容に向けた自発性の喚起の仕方などの弊社のノウハウについて、数々の新規事業立ち上げや事業支援のご相談をいただける様になり、当社が存続できています。

さて、今後です。

物質的に成熟し、医療制度や技術が行き届き、長寿命となった多くの国家は、次のステップとして、長くなる人生時間をより健康的に過ごすための欲求が高まっていきます。

そして、それぞれの生活を豊かに支えるために、少しでも生産性高く生き続けるための製品やサーヴィスを希求し続けるに違いありません。

そこに向けて、一見、健康と直接関係のなさそうな技術や開発力、そしてサーヴィスの全てが健康訴求をし始めるハズです。

ご存知のように、毎日みなさんが摂取する食品では、トクホや機能性表示食品が普及し、それぞれの健康訴求を競っています。この動きは他ジャンルの商品やサーヴィスにも波及していくに違いありません。特にウェアラブルをはじめとする計測機器類のこの分野への応用は今後さらに加速していくでしょう。

法規制や民間に馴染みの薄い医療業界の習慣性の違いなどが、参入を難しく感じさせることもあるようですが、そんなときは、ぜひ私たちにご相談ください。最近、こんな冊子の企画・編集も行いましたので、ご参考になれば幸いです。

「医療・ヘルスケア分野におけるウェアラブル機器開発の基礎知識 令和元年度版」
国立研究開発法人 産業技術総合研究所 編著
https://md-guidelines.pj.aist.go.jp/?p=114563

COVID-19の経験により「予防」や「行動変容」の重要性が広く認知される様になり、世の中がニューノーマルな新しい生活様式を探り始めた中で、そしてモノの充足以上に質的な豊かさを求め始めていく中で、様々な分野の方々の知恵や技術を総動員して、健康立国に貢献できればと、決意を新たにしています。

最後に、新たな動きを紹介させてください。

私、八村は今春より、国立成育医療研究センター・周産期・母性診療センターの臨床研究員を拝命しました。AMEDの「妊産婦の重症化予防」のプロジェクトで、主にウェアラブルデバイスやアプリケーションのユーザビリティ、そして推進へのアドヴァイスをさせて頂く立場です。

また、今年度末まで理化学研究所が中核になり神戸市、兵庫県と進めてこられた「健康生き活き羅針盤リサーチコンプレックス」と共同開発した、健康計測に特化した人材育成事業(e-Learning)を承継する新社団法人「次世代健康社会・ヘルスケア推進協会」を立ち上げ、社会実装を実現していきますので、ぜひご参加ください!
https://v2.nex-pro.com/fdhh2020

そして、弊社の創業時からのフィロソフィーである「Medi-Tainnment®︎」を推進するため、強力な新メンバーが一気に加わっていますので、ぜひ顔ぶれをご覧ください。
https://medithink.co.jp/member/

引き続き、メディシンクをよろしくお願いいたします。
八村 大輔