「新しい日常」を支える、
政治に振り回されない運用基準とは?

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株式会社レスキュープラスBCP作成支援担当の秋月です。

みなさますでにご存知のように、2020年5月25日夕刻に安倍総理大臣が記者会見を行い、
日本全国で緊急事態措置の解除を宣言しました
(以下、本稿のリンク先で内閣府、厚生労働省、東京都などから発表されている文書を閲覧いただけます。
非常に重要な内容ばかりですので、お時間のあるときにぜひお読みください)

同日、厚生労働省が「新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針」を発表し、
これまでの経緯と、今後の対処方針の概要を示しました。

またこれに先立ち、東京都では5月22日に
「新型コロナウイルス感染症を乗り越えるためのロードマップ~「新しい日常」が定着した社会の構築に向けて~」を発表、
緊急事態宣言解除後にどのようなステップを経て
活動制限を解除していくのかを具体的に表しました。
この資料は新しい日常像をわかりやすく解説しているのでご一読をお願いします。

私は2008年の新型インフルエンザ・パンデミック以来、
危機管理および事業継続の専門家として活動してまいりましたが、
感染拡大が収束した後の「解除ステップ」を具体的に示したこの資料は
いままでの感染症対策で作成されたことがなく、
そして今後の感染症対策における標準テキストとして活用される
素晴らしい内容であると考えています。

中でも「緩和・再要請のモニタリング基準」は、
再現可能な手法で科学的に計測された事実のみで構成されるので、
政治的・恣意的な判断が入りこむ余地がなく、
透明性の高い、厳密な対策運用を可能とする、重要な指標と考えています
(※WHOの「中国寄り」と批判された、一貫性がなく情緒的な広報を思い出してください)。

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https://www.m3.com/open/iryoIshin/article/776342/?category=reportより

さて、この表の指標のなかにあまり見慣れない表現がひとつあります。
「③週単位の陽性者増加比」。
実はこれは最近になって大阪大学・核物理センター教授(つまり物理学者)が
発見した指標「K値」を表しています。

この指標は「直近1週間で増えた累積感染者数の増加率」という実に簡単なものですが、
計算するうえでパラメータを仮置するなどの操作が一切不要かつ簡易に計算できるので、
最近になって使われ始めたものです。

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査読前論文「Novel indicator of change in COVID-19 spread status」より

こちらの日経新聞の記事がわかりやすいです。
コロナ対応で新指標「K値」 感染増減の傾向把握に」。
もともとは査読前論文として発表されたものですが
Novel indicator of change in COVID-19 spread status」、
これはたいへん有用だ!ということでさまざまな人が紹介し始めて一気に広まり
K値が導くコロナ収束の道」、
ごく短期間のうちに政策運用の指標として使われるまでになりました。
興味深い内容なのでこちらもぜひご一読ください。

新型感染症の指標に核物理学者が気づいて経済学者が拡散する、という姿は、
日本の力強い感染症対策がわれわれ国民の総力戦であることをよく表していて、
とても心強く感じました。




プロフィール
秋月雅史
1989年 日本アイ・ビー・エム入社。メガバンク担当営業を経験。
1997年日系コンサルティング会社に転職、その後外資系・日系IT会社で新規事業の企画を担当。
2007年からは企業・団体向けの危機管理体制構築、BCP 策定支援への取り組みをスタート。
日本経済を牽引する大企業から中小企業まで多くの会社のBCP強化に寄与している。日本能率協会BCP講座担当講師。

日本能率協会:「BCP」対応編 研修講師に聞く
https://jmaqa.jma.or.jp/case/2019/06/04/23

株式会社レスキュープラス「BCPのSOS」
http://bcpsos.rescueplus.jp/?page=bcpsos