Googleのfitbit買収に思う

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こんにちは、メディシンク代表の八村です。

fitbitがついに買われます。
(厳密には当局の審査が通過すればとなりますが)
この分野で一番買収されない会社と見ていましたが、
あのGoogleの親会社のAlphabetが買収を表明し合意に至ったニュースが流れました。

彼らの創業は2007年ですから12年前になります。
私がヘルスケアをテーマに事業開始してからは、もうかれこれ15年になります。

私は、2006年から同じくアメリカのピッツバーグで創業していた
BodyMedia(その後JAWBONEに買収された会社)という
医療系のウェアラブルシステムを輸入販売しようとしていた頃です。

BodyMedia社訪問の際のショールームにあった当時の医療系ウェアラブル(2007年)

当時、fitbitが創業して4名でした。
サンフランシスコに住む当時Verizonに勤めていた従兄弟を通じて
fitbitオフィスを何度も訪ねてもらったことを思い出します。
協業提案が目的でした。

残念ながら、fitbitには当時面談することは叶いませんでしたが、
スマホにつなげるウェアラブルで先を越され、悔しい思いをしたことを思い出します。
その後、JAWBONEが登場。洗練されたリストバンドのデザインや
iPhoneのイヤホンジャックに挿してデータ転送するスタイルが話題を呼び、
おしゃれに、アクティブに活動量を記録する新市場を形成していくことになります。

fitbit最初のクリップ型モデルの設定画面 (2008年頃)

当時、そうした全く新しいデジタルヘルスケアのユースシーンや
ビジネスを日本発で創出しませんか?と提案していましたが、
残念ながら国内では早すぎたようで、全く理解を得られませんでした。

その後、fitbitがNY市場に上場し、最近、累計出荷台数が1億台を超え、
Apple WatchがROLEXの年間出荷台数を上回ったニュースを聞くに及んで、
自分の見立てが間違っていなかったと自負を強めつつ、
当時の力不足を思い返さずにはいられません。

実は、私が今で言うヘルスケア向けのウェアラブル事業を着想したのは、
なんと25年も前に遡ります。
その15年後にようやくウェアラブルはビジネスとして芽吹き始め、
今、大きな転機を迎えていると感じます。

「ウェアラブル第3章」の始まり、とでも言うべきでしょうか・・・。

Googleはハードウェアを強化していくことを最近表明していて、
この買収もその戦略の一環と思います。
タブレットからは撤退するようですが、fitbitの買収までして事業展開を急ぐのは、
やはりAppleに大きく水をあけられてしまったウェアラブル事業を
挽回したいからに他ならず、
ポストスマホの本命と見込んでいるのだと感じます。

早速、各種WEBメディアがこのニュースを取り上げていますので、
約2,200億という買収額が高いとか安いとか、
Googleが独禁法で査察が入ろうとしている今、
この買収は成立するのか?などには言及しませんが、
まずは、ウェアラブルの代名詞となり、
ここまでの事業価値を創り上げたfitbitに大きな拍手を送りたいです。

つづく
八村大輔