アビガンは本当に効くのか?
「コロナといっしょ」に経済を回す覚悟

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株式会社レスキュープラス
BCP作成支援担当の秋月です。

まず、前回コラムに反響があり、追記しましたので、それからお読みください。

感染抑制の施策、特に外出自粛は経済活動とのトレードオフとなります。
今回の「8割の活動抑制の要請」およびその延長措置は、感染拡大抑制のみを目的とするのであれば合目的ですが、
企業倒産や店舗の廃業などが増えている昨今の経済情勢を鑑みると、単なる延長ではなく、
罹患者の傾向からみた「まだら模様の抑制解除」が必要ではないかと考えます。
そこで、仮定の解除条件を策定してみます。
施策によっては、感染の第2波・第3波が来て拡散の収束は長引くかもしれませんが、
私個人としては、経済活動への影響を考慮して、重症化しやすい50代以上の活動のみ制限を加え、
それ以下の世代の活動は経済活動の復旧に専念するべきだと考えています。

これは、あくまで公的な政策決定・感染抑制施策決定にまったく関わりのない、
いち私企業の事業継続コンサルタントの私見です。

しかしながら、お客様や知人の経営者たちから聞こえてくる悲痛な声を聴いていると、
14日に発表される基準には、何らかの措置を盛り込むべきだと強く感じます。




さて、今回はアビガンについて、です。
先日来、新しい抗インフルエンザ薬であるアビガンが「新型コロナに効く(かもしれない)」ということで、
メディア等では早期承認を求める声が高まっているようです。
確かにこれといって有効な治療方法がない現状で期待が高まることは理解できますし、
重症化しやすい50代の私自身もワクチンと治療薬を渇望しています。

しかしながら、私がさまざまな論文(査読前論文も含めて)を読んでみた範囲では、
「治療にものすごく効果があった」という内容は皆無で、
「(期待を込めて)効いたかもしれない」としか読めないものがほとんどでした。

私にはこれ以上的確な説明をする知識と語彙はないので、この話題に言及することは避けてきたのですが、
最近になって、病院経営をしている医学博士の友人に紹介してもらったブログを読んだ結果、
「やはり効くというエヴィデンスはない(「効かない」ではないのでご注意ください※)」と考えています。
※補足:識者によって諸説あることは理解しております。
この薬はRNAポリメラーゼ阻害薬なので、原理的に同様のウイルスに効果を期待できることもわかります。
ただし今日ご紹介する論考を読んだ限り、効果を立証するエヴィデンスとしては弱いと考えています。

本稿で私が申し上げたいのは、今後の経済活動を行っていく上で「効果的な治療薬がある」のと「ない」では
活動の仕方が大きく変わってくるので、エヴィデンスが薄弱な現在は、アビガンが効かないことを前提として
「コロナといっしょ」に生産活動をしていく方法を考えるしかない、ということです。

本日ご紹介するのはこちらです。
アビガンは効かない」。
このnoteを書かれた大脇幸志郎氏は、東大医学部を卒業されてオンライン診断のベンチャー企業の起業に
ご尽力されているとのことです。

豊富にデータをリンクされていて、平易な言葉で「効いているデータはない」ことを論考されているので
ぜひご一読ください。
私は真偽の判断は出来る立場にはありませんが、説得力があると思ったのはこのくだりです。
「しかし、結核の薬はめちゃくちゃ効く薬です。麻疹のワクチンもめちゃくちゃ効くワクチンです。
それほど劇的な発明がない場合、大して変わらないでしょう。」
「RNAポリメラーゼを阻害とか言ってますけど、その理屈でなんにでも効くんだったらなんにでも効くはずで、
そのすべてをメーカーがこれまで見逃してるわけないと思うんですけどね。
特に、ふつうの風邪の何割かを占める従来型コロナウイルスという超巨大市場を。」

さて、この大脇氏の表現を借りると、「めちゃくちゃ効く薬」というエヴィデンスがないと仮定した場合、
BCP(事業継続計画策定)のプロとしては、しばらくのあいだ「コロナといっしょ」に社会を回すことを
考えないといけない、という結論になります。


その場合にやるべきことは次の通りです。
(1)常に感染状況の指標をモニターして経営者にフィードバックする。
(2)感染状況に応じた数段階の事業縮退策および資金対策を策定しておく。
(3)従業員やステークホルダーへのクライシス・コミュニケーションを充実させる。


こられの詳細については、5月18日に日本能率協会様のWebセミナー
アフターコロナのBCP/BCM 事業継続計画とマネジメント」にてご紹介いたしますので、
ご興味がお有りの方はぜひご視聴ください。

また、今後メディシンク社から「感染対策経営企画コンサルティング」を開始する準備をしています。
お問い合わせください。




プロフィール
秋月雅史
1989年 日本アイ・ビー・エム入社。メガバンク担当営業を経験。
1997年日系コンサルティング会社に転職、その後外資系・日系IT会社で新規事業の企画を担当。
2007年からは企業・団体向けの危機管理体制構築、BCP 策定支援への取り組みをスタート。
日本経済を牽引する大企業から中小企業まで多くの会社のBCP強化に寄与している。日本能率協会BCP講座担当講師。

日本能率協会:「BCP」対応編 研修講師に聞く
https://jmaqa.jma.or.jp/case/2019/06/04/23

株式会社レスキュープラス「BCPのSOS」
http://bcpsos.rescueplus.jp/?page=bcpsos


先月末に書かれた別記事「東京封鎖=ロックダウンは起こるのか?」も是非お読みください。
https://www.office-mica.com/magazine/entry/2020/03/30/164509/