何が緊急事態なのか?

  • facebook
  • twitter

皆さん、八村です。
遂に、緊急事態宣言が4月7日に出ました。

緊急事態なのに、色々と調整が必要なようで、
あまり緊急じゃない感じになってしまったのが残念だと思っていましたが、
安倍首相の記者会見での宣言を生で聞いて、率直に“誇らしく”感じました。

一部のメディアや評論家は批判が仕事のような方もいるので、色々な意見も出るでしょうが、
この国難に際し、欧米が拡大させてしまったパンデミックに比べ、
しぶとく持ち堪える舵取りを専門家の方々と進めていることを実感し、
何か素直に応援したくなる感想を持ちました。

さて、何度かご案内したように、
弊社で11年前の2009年に実施した映画『感染列島』のセミナーで専門的な解説をお願いした、
BCP(事業継続)のプロ、秋月雅史氏に、緊急事態宣言直後に特別寄稿をお願いしました。

a2magazine_1
2009年6月15日:映画『感染列島』に見る組織としての有事対策セミナーより
(左:八村、右:秋月氏

=======================
4月7日19時に安倍総理が緊急事態宣言を発令しました。
緊急事態宣言の内容はマスコミを参照いただくとして、
いま私が申し上げたいのは次の3つです。

(1)何が「緊急事態」で宣言が出るのか?
(2)宣言がないとどうなるのか?
(3)それほど心配なことなのか?

解説します。

(1)何が「緊急事態」だから宣言が出るのか?
宣言エリアでは重症者のための医療資源が尽きかけています。
治療薬もなく患者の8割を占める軽症者は「閉じこもって寝る」だけですが、
重症者には人工呼吸装置が必要です。
軽症患者が増えること自体に困ることはないのですが、
軽症者に比して増える重症者がこれ以上出ると病院がパンク=人が死にます。
ですから全員がひきこもる必要があるのです。

(2)宣言がないとどうなるのか?
日本人の特性から言うと、宣言が無くても「強い要請」で大人しくしていたでしょう。
しかしモノゴトには舞台装置が必要です。
マスコミは言いませんが、法律を背景にした重々しい宣言があってこその効果が期待できます。

(3)それほど心配なことなのか?
はい。あなたがもっとも愛する人が亡くなったことを想像してください。
あなたが不要に出歩くことによってその愛する方は亡くなるのです。
それに比べたら5月6日まで出歩かないなんて簡単なことですよね? みんなで頑張りましょう!

a2magazine_2
2009年6月15日:映画『感染列島』に見る組織としての有事対策セミナーより:秋月氏の講演

プロフィール
秋月雅史
1989年 日本アイ・ビー・エム入社。メガバンク担当営業を経験。
1997年日系コンサルティング会社に転職、その後外資系・日系IT会社で新規事業の企画を担当。
2007年からは企業・団体向けの危機管理体制構築、BCP 策定支援への取り組みをスタート。
日本経済を牽引する大企業から中小企業まで多くの会社のBCP強化に寄与している。日本能率協会BCP講座担当講師。

日本能率協会:「BCP」対応編 研修講師に聞く
https://jmaqa.jma.or.jp/case/2019/06/04/23

株式会社レスキュープラス「BCPのSOS」
http://bcpsos.rescueplus.jp/?page=bcpsos


先月末に書かれた別記事「東京封鎖=ロックダウンは起こるのか?」も是非お読みください。
https://www.office-mica.com/magazine/entry/2020/03/30/164509/