技術立国の副作用?

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こんにちは、メディシンク代表の八村です。
世の産業界が新年度を迎えるにあたって、ちょっと硬めの話をさせていただきます。

この6月で創業から丸13年を迎えますが、企業活動で常々感じることは、

「この国はモノに依存しすぎている」

という思いです。
私たちのような、企画や事業推進支援を仕事にしている者には、大変生き辛い「常識感」です。

日本のGDPの約7割を占めるに至っているのはサービス業なのにもかかわらず、まだまだ重厚長大な製造業が幅を利かせている。このままだと、過去の栄光にしがみついた“古い国”になってしまいかねないと、強い危機感を感じています。

私も、バブル世代だからかモノは大好きですから、モノの価値を否定するつもりは一切ありません。
どこかのCMで「モノより思い出」というキャッチコピーが記憶に残るように、この物余りの時代に重要性を増すのは、モノの価値をも高める「サービス」であり、それを考え企画としてまとめ、PDCAを回して成果を高めていくことにある、と強く思うのです。

経産省の資料からも、
「日本のサービス産業のGDPに占める割合は拡大しており、サービス産業が経済全体に与える影響が高まってきている。デフレ脱却や経済の再生のためには、サービス産業の高付加価値化が重要。」
「サービス産業(広義)(政府及び民間非営利サービス含む)は、GDPベースで約7割(約350兆円 (2012))を占め、規模は拡大傾向。」

と書かれています。※

メディアや広告畑を長く経験しているからでしょうか、「情報」の重要性をもっと知ってもらえたら。上手に活用できたらどんなに強い国になるだろう、などと考えることがとても多いのです。

先日、米シリコンバレーからやってきたベンチャー企業向けの大手インキュベーション会社の担当者から、「ベンチャー起業家だけでなくスポンサーの大手企業にも、ぜひそういう話をしてほしい」と目を輝かせて言われたことも印象的です。

2014年にスタンフォード大学で行われたAAAI(人工知能学会)に呼んで頂いた際にも、シリコンバレーの現地のベンチャーやVC関係者から言われたことも思い出します。
揃って聞かされたことは、「日本企業の担当者は表敬訪問の繰り返しで自分たちの情報や時間をなんだと思っているのだろう?」という残念な話でした。
日本人には、世界に誇る器用さとおもてなしの精神と・・・、書き出したらキリがないくらい素敵な特性がたくさんあります。

しかし、この変革期には違う特性が求められています。
変化は怖いものです。
安定した性能や品質を変えてしまうチャレンジは無謀に映るかもしれません。

私は「メディテインメント®」と共に、「健康立国」を提唱しています。
ぜひ、類まれな高齢体験先進国として、今まで果たした技術立国の長所を活かしつつ、来年に迫った東京オリンピックや大阪万博を通じて、世界に喜ばれるヘルスソサエティ日本を支えるビジネスを推進していけたら、と思っています。

※出所:経済産業省 商務情報政策局資料「サービス産業の高付加価値化・生産性向上について 」(2014年1月20日)

メディシンク
八村大輔